しら月堂のいろ鳥どり

脳内整理と断捨離のため、徒然に

<展示>ポンピドゥー・センター傑作展 (20160611-0922/東京都美術館・上野)

ごきげんよう

 

会期が長いからのんびりしていたら、もう最終日が間近だ!!!

ということに一昨日気付き、急遽、本日見に行ってきました。

 

場所は東京都美術館・・・今年、若冲展で死にそうになった場所・・・。

(平日でも炎天下で3時間待ちとか、死亡者でる、まじで。)

 

一応、若冲展の時のことがある(3時間待ちにビビって、日を改めて行ったけど、その日も2時間待ちだった…orz)ので、用心して昨日のうちに混み具合をチェック。

 

なんとか大丈夫そうだったので、今日はわざわざこの展示のためだけに外出してきました。

 

やっぱり若冲展が異常だったんだ・・・若冲人気、恐るべし。

 

さて、本展示での私の目的は、

大好きなデュフィマティスの絵を見に行くこと:)

 

全体を見てきた感想は、

若冲展ほどの迫力はなかったけど、総じて良かった!!♪♪♪

 

若冲展は2Fの円形展示場の展示が圧巻過ぎて、ずっと見ていたい!!

・・・ほどだったけど、人が多過ぎて、全く落ち着いてみられない&絵の全体がほとんど見えなかった・・・

んですよね(泣)。

 

それに比べて、

ポンピドゥーセンター展は、今日はシニアデー(※65歳以上の方はみなさん無料で鑑賞できる日)だったにも関わらず、待ち時間なしで入れたし、落ち着いて見られました:)

 

「総じて」良かったと、手放しに「良かった!!」と思えなかったのは、やっぱり好きな画家の絵をお腹いっぱい見れなかったことかな。

 

本展の展示は、変わっていて、

年代ごとに1作品(同じアーティストは1作品だけ)展示して時代を追っていく、という見たことのない展示方法。

 

そして、絵画や彫刻、写真、映画、音楽(!! 白壁だけのスペースに、エディット・ピアフ愛の讃歌だけが流れているっていう・・・)などの

「展示」1つに対してそのクリエイター(アーティスト)の「言葉」が添えられている形式の展示で、私はこれにやられました☆

 

「言葉」に惹かれて、普段めったに買わない図録を買っちゃったりしてw

大好きなデュフィマティスの言葉を転記します。

 

★Raoul Dufy [1877-1953]

The painter needs to constantly have a certain quality of light, a sparkle, an aerial palpitation that embues what he sees.

画家は、絶えず目に映る世界を満たしている

光の質、輝き、大気のゆらめきを捉えていなければなりません。

  

★Henri Matisse [1869-1954]

I feel through color, therefore my canvas will be always organized by it.

私は色彩を通じて感じます。

だから私の絵はこれからも色彩によって組織されるでしょう。

 

 

英語の勉強中でもあるので、こんな表現があるのかあ、

などと一所懸命英文を読んでみたりしていたけど、

 

まさに、マティスデュフィの「言葉」を読んで、

ああ、私はこの言葉に出会うために、今日ここに来たんだな、と感じました。

 

私がこの頃失っていたもの、とか、色彩について。

表現の方法について。

表現する意味について。

そうだった、と気付かされた、というか。同感させられた、というか。

 

そういった忘れていた「いろいろ」(感情?記憶?意欲?姿勢?)について、

答えは見つからないまま、これからも試行錯誤して生きていくのだろうけど、

原因と結果、という関係性ではなくて

 

「目の前」あるいは「いま」あるいは、「この瞬間」、

 

・・・そういったものだけを

これからも味わい続けるのだなぁーと、確認したような時間でした。

 

それがわかっていたら、迷わなくて済むもの、というか。

 

 

ところで

今回また、この二人の魅力を「言葉」でも発見してしまったのだけれど、

 

私がこの、ふたりの画家で好きなところは、

絵の他にも、その生き方(絵に向かう姿勢)なのです。

 

この二人は共通して、戦争時代を通ってきたにも関わらず、

戦争の毒々しさを、暗いそのままにおどろおどろしく表現する手法をとりませんでした。

 

晩年、病気で思うように絵筆を握れなくなったマティスは、手法をコラージュに変えて生き生きとした画面を切り出してみせました。

 

日常の中から(闇の中からでさえ)、光や色彩やリズムや音楽を見出す。

美しく心躍るものを選び取り、表現する姿勢にこそ私は共感でき、心惹かれるみたいなのです。

 

そういう側面を選び取るその姿勢から、

自分が生きる現実・舞台を受け取っていた二人の画家のように、

私も生きてみたい、と思うのです。

 

この二人と同じく、

ルノアールもまた、光に意識を向けている画家だった、と知った今年から、

ルノアールも好きになった私☆(遅いか・・^_^;)

 

それから、palpitationという表現を見つけて、「花子とアン」(NHK朝の連ドラ)で、花子がたしかこの単語で白蓮さんとキャッキャしてたな、とか思い出したりw

「言葉」が持つ力もちょっと感じた、今日の日の展示でした。

 

ポンピドゥーセンター展、明日まで☆

明日は休日だから最終日と重なってちょっと混むかも、だけど、良かったよ☆

のレポートでした。

  

ごきげんよう