しら月堂のいろ鳥どり

脳内整理と断捨離のため、徒然に

<展示>没後50年 藤田嗣治展(2018.07.31→10.08/東京都美術館@上野)

 

時間の余裕がない中

さほど混雑していないという前情報の元行ってきた。

foujita2018.jp

 

行ってみたら…

混んでるじゃないか!!!…がっくり。

 

でも、やっぱりそれだけ人気ということだよね、と

気を取り直して観覧。

人の頭の隙間から、見てきた。

 

藤田嗣治という人の策略家的な発想とか

面白く拝見した。

 

 

確かな絵の技術をもって

どう、見る人の心を捉えるか、何をすれば受けるか、を

しっかり狙って、しっかりハマった(成功した)人だということがよくわかった。

 

藤田嗣治

軍人家系にも関わらず13歳の時に父親に直訴(手紙で)して

画家になることを認められ、やがてフランスに渡っている。

 

渡仏後は

フランスでどう評価を得るか、

自分の売りは何でどうアピールすれば良いかを

意識的にやることでそれがうまくハマり、

早くから評価された画家。

 

展示を見て気になったのは

「藤田」とか「嗣治」とか、漢字での署名。

 

日本人としての自分の立ち位置を忘れないため

あるいはアピールするために、意識して書いていたような気がする。

 

乳白色が賞賛される画家だが

そこに至る道も

カラフルな西洋画に対して

墨一色、あるいは白黒2色で表現する日本画

というものに対する意識から生まれたものなのだということを知った。

 

墨を使って、

面相筆で表現するなら負けない、と自負するだけの

細筆の表現が見事だと思った。

 

ところで

私がこの展示で、乳白色よりも気になったのは「ジュイ布」。

藤田嗣治は手仕事に対するリスペクトが強く、多くのジュイ布を取り寄せ、絵の中にも描いているが、

 

このジュイ布!!

 

2年前のトワル・ド・ジュイ展で取り上げられてた布の事だ!!…って、帰ってきてから気付いて!!!

 

toiledejouy.jp

ちょっと感動。

 

繊細で美しい布を、細筆を使って、とても油絵とは思えない表現で

絵の中に写し取っていた藤田嗣治

 

ジュイ布(トワル・ド・ジュイ)、50年経っても全然色褪せてないよ、って教えてあげたい( ´艸`)

 

販売されてたポストカードでジュイ布入りの絵が少なくて残念…

図録は重いし家に本が増えるのがいやだから断念。

 

 

戦争に縁のあった画家。

第二次世界大戦が終わって再びフランスに戻る頃の藤田嗣治は少し寂しそうにも見えたけど

 

すごい画家だったんだと思う。

もっと大きな作品に取り組めばよかったのにね!

 

せっかちさんだったのかなぁ?